桜の二世帯住宅 〜減築で家族を繋ぐ〜
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設計担当:納谷学、三宅良
構造設計:長坂設計校舎 長坂健太郎
施工会社:イケダ工務店 池田秀範
PHOTO :納谷学
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既存建物:木造二階建て 在来工法
既存建物延べ床面積:237.01㎡
1階床面積:137.65㎡
2階床面積: 79.49㎡
ロフト面積: 19.87㎡
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設計計画:二世帯リノベーション
計画建物延べ床面積:221.28㎡
1階床面積:138.48㎡
2階床面積: 69.56㎡
ロフト面積: 13.24㎡
親世帯が長く住んでいた旗竿敷地の住宅を子世帯との二世帯住宅にリノベーションすることになりました。
家族構成も生活スタイルも、生活時間帯も違う二世帯が程よい距離感を共有しながら住まうことになります。完全に壁で別れた二世帯ではなく、親世帯も子世帯もお互いの気配と交流を持ちながらそれぞれの日常を営むことができる計画を考えました。
共有するのは玄関と浴室廻りで、それぞれにリビングダイニングキッチンを備えています。その上で、庭に面したかつての続き間の和室を少し大きめの子世帯のリビングダイニングキッチンにして、親世帯も共有できる家族のリビングダイニングと設定しました。
また家族のリビングダイニングは、その直上で今では必要となくなった個室の床を抜き吹抜けを設け、2階と繋がる開放的な空間に仕立て、この家の中心にしました。
吹抜けには2階床の水平面の構造補強を兼ねて回廊を設けました。回廊にはスタディスペースを付随させ、二世帯家族の集まる1階の家族リビングダイニングキッチンと2階の子世帯の個室が緩やかに繋がる関係を期待しています。
既存の建物の床を抜き減築して新しく設けた吹抜けを介し、家族のリビングダイニングには北側奥まで光が届き住宅全体に風が抜けます。またかつて和室に面して「見る庭」だった庭を広いデッキテラスを備えた「使う庭」に変換させました。
こうして減築して設けた新しい吹抜けを介して、二世帯の家族の新しい豊かな関係を築ければと思います。