花背 〜古典を現代に〜
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企画運営:山田克彦
設計担当:納谷学
施工会社:今野工務店 今野佐一郎
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既存建物:鉄骨造 3階建て
設計範囲:1階+1階外装
開店年月:1993年6月20日
営業時間:10:00〜18:00
PHOTO :
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店舗面積:59.17㎡(17.89坪)
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掲載誌:『商店建築 1993年11月号』
『商店建築 1993年11月号』のTEXTより抜粋。
〜2面のファサードを用意する〜
前面道路に間口14mのファサードを持つこの陶磁器店は、店内のみならず通りへのオープンストリートギャラリー的性格を持たせるため、2面のファサード(2本の通り)を用意することで内外空間の連続、遮断、統一,多様を試みている。
前面ファサードは、FRPグレーチングのとツインポリカーボネートの犬矢来,500角コールテン鋼パネルの外壁によって構成される。また、インテリア側ではが家具を覆い7枚のアルミパネルの吊り天井が荒木田土で包まれた内部空間を侵食している。ファサード全体は、彩度を抑えスタティックな表情を持たせて後面ファサードにフィルターをかけ、多様の中の統一をねらっている。
後面ファサードは、朱色の漆に塗られた給湯室と杉柾曲面天井・琉球畳の和室,ヒビ入れ荒木田土のかまという三つの単位空間の集合が彩度の強いポジティブな空間を構成している。回転折り畳み障子や藍染生地,和紙貼りの引き戸やの犬矢来は部分の部品として空間の奥行きを演出する仕掛けになり,前面フアサードとの対比性をより強調している。
全体と部分、均一と分散,スタティックとダイナミック、ハイテクと伝統技術,彩度の弱と強,ソフトとハード、・・・。さまざまな対比の反復が展開されるこの店の総括イメージが、京都としてのメタファーにつながれば、オーナーと私の連続と統一が図られるのである。
<オーナーのひとこと>
以前から焼き物と京都が好きで,趣味が高じてつくった店です。この店の名前「花背」も京都の地名からとりました。いらっしゃるお客様の大半は30代後半~40代半ばの主婦です。ですから自分の好きな備前焼きのほかに、女性のスタッフの意見も取り入れて、実用的でリーズナブルな商品も取り扱っています。
将来的には飲食店と契約したり、市役所の記念品を扱ったりして千葉、成田、佐倉にまでマーケットを広げていきたいですね。