芹が谷の住宅 〜減築で家族をつなぐ〜
作品情報
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芹が谷の住宅
神奈川県横浜市
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設計担当:納谷学、太田諭、齋藤耕次
構造設計:長坂設計工舎 長坂健太郎
施工会社:栄建 酒井宣雅
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構造形式:木造パネル工法(既存)
設計規模:3階建ての1階と2階の一部
竣工年月:2022年9月
PHOTO :吉田誠
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延床面積:195.00㎡(58.99坪)
1階床面積:68.31㎡(20.66坪)
2階床面積:69.56㎡(21.04坪)
芹が谷の住宅
神奈川県横浜市
既存の住宅の前はバス通り。
敷地は道路レベルから2mほど高くなっているため、1階の窓を開けるとバスの乗客と目が合ってしまうような関係です。南に窓はありますが、ダイレクトに開けにくい環境にありました。
計画は、3階建ての住宅の1階部分と2階の一部のリノベーションです。
最初に小割になっていた部屋の壁を取り払い、1階は大きなワンルームのLDKにして、抜けのいい風通しの良い空間を担保しました。
ただ既存の壁を取り払っただけでは、既存の天井の高さのままでは圧迫感があります。食堂とリビング、和の続きまの天井を領域に合わせて3つの折上げ天井にして、2階の床の構造を見せています。
折上げ天井は間接照明で演出し、LDK全体を柔らかい光で包まれるようにして、この住宅の有り様(構造)を感じ取れるようにしました。
2階は1階との繋がりを持たせるため、住宅の中央の床を取り払い吹抜けを設けました。吹抜けの周りには家族の共有書斎コーナーを設け、分断されていた1・2階を繋ぎました。吹抜けを設けたことによって行き交うバスの視線を気にして窓を開ける必要がなくなり、常に光を1階にまで届けます。
「芹が谷の住宅」は、構造の整理と減築によって家族のコミュニケーションが自然に図れ、光あふれる健康的な生活の舞台としての住宅を目指しました。
住み手がより仲のいい家族の関係を持てればと思います。